富士山のふもと、辺りは深い木立に囲まれた御殿場市印野に、近隣の農家の女性で運営するふるさと工房があります。
月に一度の役員会があると伺い、その工房を訪れました。
■ ふるさと工房のあらまし
ふるさと工房は平成11年4月から
御殿場・小山地区の農家の女性で運営しています。
メンバーには東部地区の7名の
ときめき女性が参加しています。
活動の目的は、米の生産調整による転作田を活用すること。地元で生産された農作物に付加価値をつけ製品化し、販売することです。
( 写真はおまんじゅうのパッケージに使うふるさと工房の新しいマーク。
富士山型の額とほがらかな笑顔のイラストは、お会いしたふるさと工房のみなさんのイメージそのものでした。)
■ 自慢の製品とそのこだわり
いちばんのこだわりは"地元の食材を使うこと”
食材はそれぞれの農家で栽培から自分たちの手で行い、商品の企画、試作、商品化まで一貫して手作りをしています。
★ 御殿場産コシヒカリと小山産の大豆を使った自慢の味噌「うんみゃあ味噌」
★ 「とう菜っ子ふりかけ」「とう菜茶漬」は白いご飯にぴったり。
御殿場地区の特産品 とう菜 (水かけ菜を陸地で栽培したもの)は
10月の種まきから3月の収穫まで自分たちの手で行っています。
★ 昨年から万能調味料としてブームの「 塩こうじ 」も人気商品です。
ふるさと工房のメンバー、ときめき女性 横山さんの取材時に「朝つけたのよ」と出してくださったキュウリの塩こうじ漬け。お茶受けや箸休めにぴったり。
★ きゅうりの漬け物、ちりめんじゃこ入りと椎茸入り。
試食させていただきました。美味しくてこれだけでご飯が3杯食べられそう!学校給食にも出されるそうです。
その他にも
クッキー、イチゴジャム、小麦まんじゅう、麦茶、わさび味噌、ゆず味噌
しょうがの佃煮など、季節ごとの収穫物にあわせた、添加物なしの "体に安心" "手作りの美味しさ”が自慢の商品を作っています。
■ 手作りの心がこもった まごころ便のお届け
ふるさと工房の商品は年に2回、まごころ便という名で全国発送をしています。心をこめて作られたふるさとの味の詰め合わせ、300個限定の販売です。
手作りの商品をそれぞれ300個ずつ揃え、ひとつひとつ箱詰めする作業は大変ですが、最近はリピーターのお客様も増えました。北海道から九州まで、ふるさとの味を待っていてくれる人がいるのが励みです。味と一緒にふるさとの空気が少しでも伝わるように、ふるさと工房便りも一緒に送ります。
次回は11月にご案内、12月10日頃に発送予定で準備中です。
■ とらや工房で "みくりやの郷土料理" を
老舗の和菓子店「とらや」が運営する「とらや工房」が御殿場にあります。
昨年、4周年記念企画として「秋の味覚祭」を行いました。
そこでふるさと工房のみなさんが、御殿場に昔から伝わる郷土料理 "みくりやの味" を基にしたお惣菜をつくりました。
大根のきんぴら、野菜の天ぷら、芋の煮ころがしや白和えなど
都会からのお客様が多いので、ふるさとのおかあさんの味のような田舎料理が好まれたようです。
おいしく食べていただくには手間を惜しまない本物の味が必要。
このメニュー選びと味つけにはとても苦労したそうです。そんな想いが届いたのか、この企画は大変好評で、続けて翌春にも開催されました。
そして朗報です!
この秋も「とらや工房」で "みくりやの味" をいただくことができます。
旬の地場食材を使ったふるさとの味を食する貴重な機会、みなさんも足を運んでみてはいかがですか?
詳細は決まり次第イベントカレンダーにてお知らせします。
食べることが大好きなワタシたち取材スタッフはもちろん行く予定です。
★ とらや工房 http://www.toraya-kobo.jp
★"みくりやの味"についてはときめき女性 横山美智代さんの記事をご覧下さい
■ なんの隔たりもなく話しあえる仲間が集まる ふれあい工房
今回参加させていただいた会議はとてもにぎやかでした。
出荷している商品についての問題点を真剣に議論し、これから作る商品の日程を調整しながらも笑い声が響き、交差して意見が飛び交います。
それでも「今日は取材がきてるからいつもより静かだわー」との言葉に驚きました。何人もの方が同時にお話しするので取材スタッフは会話についていけません(笑)
ふるさと工房の最年長メンバーは大正生まれ、80代から40代まで、幅広い年齢層の農家の女性が集まって作業をしています。
「ここにはおばあちゃんの立場の人もいればお嫁さんの立場の人もいる。
おばあちゃんの知恵から若い人の気持ちまで、生きた勉強ができるのよ。」
「多くの知恵が詰まっているのよ。新しい情報もすべてここから知るの。」
この集まりがメンバーのみなさんにとってどれだけ大切かが伺えます。
「それぞれの家業のことから家族のことまで、知らないことがないよねー。」というほどの強い団結力。
なんの隔たりもなく話しあえる、助けあえる仲間が集まる場所なのです。
開所当初は収益もほとんどなく、農家のお母さんが家業の手を休めてここに来ることに家族の理解を得られなかった方もいたと言います。
それでも「私たちは全員が社長という気持ちで一生懸命ここまでやってきた」と力強くおっしゃっていました。
そしてもちろん県や市役所を含めた地域の理解と家族の協力があったから。
14年目を迎える活動の中で、幾多の苦労があっても、それを全員の力で乗り越えてきたのです。
運営も軌道に乗った今、これからの課題は後継者を育てること。
このふるさと工房を通して、技も味も伝えていくために活動は続きます。
今回の取材で「ものづくりはひとづくり」という言葉を思い出しました。
ふるさと工房のみなさんから、信頼関係はどんな環境においても一番大切なことだと再認識しました。
ふるさと工房のみなさん、どうもありがとうございました!
ーーーInformation ーーー
ふるさと工房
〒412-0008 静岡県御殿場市印野1388−41
TEL/FAX:0550-88-4130
ふるさと工房の商品は
JA フレッシュなどで購入できます。
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